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下請法から取適法へ-改正点と注意点

【コラム】

2026年1月1日に、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(略称:中小受託取引適正化法、以下「取適法」といいます。)が施行されました。取適法は、従来の下請法の名称を変更し、その適用対象や規制内容を大幅に見直したものです。

そこで、本コラムでは、改正による主な変更点、および、改正法下において事業者が注意すべき点について説明します。

第1 主な変更点

改正により、主に以下の点が変更されました。

1 適用対象の拡大

まず、改正前は委託者と受託者の資本金の額のみを基準としていましたが、改正後は従業員数も基準の1つに追加されています(2条8項5号等)。

また、改正前は発荷主が運送業者に運送を委託する取引については適用対象外としていましたが、改正後はそのような取引も適用対象となります(2条10項)。

さらに、製造委託の対象となる物品も従来の金型に加え、木型等も対象となります(2条1項)。

2 禁止行為の規制強化

受託者が代金につき、委託者に対して協議を申し入れた際に、委託者がこれに応じることなく一方的に代金額を決定することを禁じることが明記されました(5条2項4号)。

また、手形払や支払期日までに代金相当額の金銭と引き換えることが困難な支払手段を禁じることも明記されました(5条1項2号)。

さらに、振込手数料を受託者に負担させることも禁止になります(運用基準第4の3(1)カ)。

3 条件の明示方法の柔軟化

改正前は取引条件の明示方法を原則として書面に限定していましたが、改正後は電磁的方法による明示も可能になります(4条1項)。

4 遅延利息の対象拡大

改正前は、代金支払が遅れた場合のみ遅延利息の対象とされていましたが、改正後は委託者が代金を減額した場合、その減額分も遅延利息の対象となります(6条2項)。

5 勧告対象の拡大

改正後は、違反行為が既になくなっている場合でも、再発防止策をとる必要があるなど「特に必要がある」場合にも、勧告対象になります(10条2項)。

また、違反行為をした委託者が合併等をした後、その事業等を承継した事業者についても勧告対象となります(10条1項)。

第2 注意点

上記の改正を踏まえ、企業が注意すべき点について説明します。

1 適用対象の確認

自社の取引が改正後の取適法の適用対象に含まれるか確認する必要があります。その際は、従来の資本金基準のみでなく、改正により追加された従業員数基準も確認する必要があります。

また、改正により、発荷主が運送業者に物品の運送を委託する取引も適用対象となったため、物流に関する委託取引についても併せて確認する必要があります。

2 契約書等の見直し

契約書や発注書など各種書面の内容を見直す必要があります。特に、給付内容、代金額、支払期日、支払方法、振込手数料の負担者等を確認する必要があります。

3 価格交渉プロセスの見直し

受託者からの価格交渉の協議を無視せず誠実に対応する必要があります。また、後に協議の内容等が問題となることを避けるため、協議の経過や内容を適宜記録しておくことも重要です。

4 社内体制の整備

取適法の対象となる取引を行う部署に対し、改正内容を周知するとともに、必要に応じて社内研修を実施することも有用です。また、自社の取引を適切に把握し、法令違反のおそれがある取引を早期に発見できるよう、取引内容や運用状況を定期的に確認する体制を整えておくことも重要です。

以上

日本の死亡届を海外で使用する方法

日本で提出された死亡届を海外で使用する際の注意点をご紹介します。
海外で相続手続をする際、日本で提出された死亡届の記載事項を公的に証明することが必要になる場合があります。

死亡届は届出人、つまり、親族や後見人名義の文書であるため、公文書ではなく私文書です。そのため、死亡届そのものを海外の公的機関に提出するのではなく、死亡届に記載された事項について日本の公的機関が発行する証明書を取得し、提出先の国に応じた認証手続を取ります。

以下がその手続の概略です。

1 死亡届記載事項証明書の取得

まず、日本の市区町村役場や法務局において、「死亡届記載事項証明書」を取得します。これは、死亡届に記載された事項を公的に証明する公文書です。なお、死亡届記載事項証明書は誰でも取得できるものではなく、取得できる者は届出人や利害関係人に限定されています(戸籍法48条)。

2 認証の取得

次に、取得した死亡届記載事項証明書が日本国の公文書であることを示すため、外務省等においてこの証明書につき所定の認証を取得することになります。もっとも、その際の手続は提出先の国により異なります。

(1) ハーグ条約締約国

提出先がハーグ条約締約国の場合、日本の外務省に対し死亡届記載事項証明書についてアポスティーユを申請し、認証を受けます(申請用紙)。

(2) 非締約国

提出先がハーグ条約非締約国の場合、日本の外務省にて死亡届記載事項証明書につき公印確認を取得し、さらに、日本にある提出先の国の大使館または領事館にて領事認証を取得する必要があります。

(なお、死亡届記載事項証明書に翻訳文を添付し、その翻訳文も含めて認証を取得する場合は、別途、公証役場において公証人の認証及び法務局長の公証人押印証明を取得する必要があります。)

以上の手続を経ることで、死亡届に記載された事項を提出国において公的に証明することができます。

以上

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